知っておきたい競技会対策

ここでは、レスコン競技会のよくあるトラブル、理解しにくい点、ノウハウを紹介していきます。 レスコンには他のロボコンにはない独特の雰囲気があり、実際に参加してみないと予見しにくい問題が発生します。 チーム側でできる工夫はたくさんあり、予め対策しておけばスムーズに競技を進めることができます。

ここで紹介するのは得点を伸ばすための知識ではなく、各チームの持つ力を気持ちよく発揮するための知識です。

1.通信

レスコンのロボットは運営側が準備する無線LANで遠隔操作します。
競技中は多数のロボットが並行してカメラ情報をリアルタイムで通信しますので、この無線LANは大変混雑することになります。 そのため、本番ではロボット操作のレスポンスが遅くなったり、一時的に通信が切断してしまうこともあります。

通信が不安定だとロボットの性能を完全に発揮できません。
そこで、以下の点に気を付けておくとよいです。

要求通信帯域を下げる

レスコンボードの設定で要求通信帯域を下げることができます。
高い通信レートを要求して実際の通信が追いつかないのと、最初から低い通信レートを要求するのとでは、 後者の方が目に見えてロボットのレスポンスが良いです。 競技会場でロボットのレスポンスが悪かったり、動作が不安定な場合はレスコンボードの要求通信帯域を下げる、 という対処法があるのを覚えておくとよいでしょう。

通信切断時にロボットを停止させる

通信が切断した場合はロボットが操縦を受け付けなくなります。 この時にロボットが動いていると暴走になって取り返しのつかないことになりますので、 通信切断時にはロボットを自動的に停止させるようにしておくとよいです。

2.チーム控室でのロボット動作確認

チーム控室でロボットの動作確認をするときは、無線LANの帯域を圧迫しないようにカメラを接続してはならない、という決まりがあります。 カメラ入力端子を抜けば大丈夫ですが、抜き差しを繰り返すと端子が壊れてしまうことがあります。 また、競技直前にカメラ入力端子を誤接続して、「カメラが映らない!」と焦った経験もあります。

こうしたトラブルを防止するために、イーサネット端末経由でもロボットの動作確認ができるように準備しておきましょう。 レスコンボードのTPIP2以降にはイーサネット端末が用意されており、これを使って有線で動作確認するとチーム控室でカメラ端子を抜く必要がありません。 チーム控室でカメラ画像を表示していると運営に注意されますが、有線であることを説明するとすぐに理解してくれます。

チーム控室の隣にロボット調整場があり、無線LANでもカメラ接続可な上、公式ダミヤンで練習できます。 しかし、他チームと譲り合いの予約制になるので、チーム控室でのロボット動作確認がメインになると思います。

3.リスタート

レスコンには競技中に動作不能になったロボットの救済処置としてリスタートというルールがあります。
リスタートの手順は複雑ですが、少なくとも以下の手順はチーム全体で覚えておきましょう。

手順 実施者 内容 ロボット操作
1

キャプテン

副審にリスタートを要請

OK

2

主審

リスタートを許可

3

キャプテン

リスタートボタンを押す

NG
オペレータはコントローラから
手を放しておくとよいです

4

主審

リスタートを宣言

5

ヘルパー

ロボットを停止させベースに運搬

6

主審

レスキュー再開を宣告

7

キャプテン

リスタートボタンを解除

OK

この手順の中でも特に重要なのがヘルパーの動きです。 ヘルパーの手際が良いほどレスキュー停止の時間が短くなります。 ヘルパーが扱いやすいようにロボットの持ち運び易さ及び停止ボタンの押し易さを工夫しておくとよいです。
ロボットに取っ手を付けたときは一年を通して持ち運びに便利でしたのでお勧めです。 故障の防止にもなると思います。

4.ファイナルミッション

ファイナルミッションは全ミッションの中でも最高難易度となっています。 配置されるガレキ量が多いのですが、救助対象のダミヤンの一部が相手チーム側に配置されているのも高難易度の理由です。 自チームと相手チームのロボットが入り乱れることになりますので、相手チームとの連携が必要になります。 競技前に相手チームと打ち合わせしておくとよいです。

お勧めなのは事前に以下のような簡単なルールを設定しておくことです。

・チームの優先道路を設定する
・救助中のロボットを最優先とする
・優先側のロボットに道を譲ること

レスコンには相手チームとコミュニケーションをとるコントロールルーム間通信という役割があります。 チームの指示系統をスッキリさせるため、ルーム間通信はキャプテンが担当するのが適切です。

5.練習用競技フィールド

レスコンでは探索エリア以外の私有地エリアへの進入又は路上ガレキを私有地エリアに意図的に置くとイエローフラグとなります。 この2つを常に意識してロボットを操縦できるように練習時から気を付けておきたいところです。

本物の競技フィールドは大きいので、自チームの練習用にフィールドを用意するときは縮小版を作ることになると思います。 このとき、ダミヤンのいる探索エリアの道路向かい側は進入禁止エリアになるようにレイアウトを工夫します。

そうすることで、自然と反則や原点を意識するようになり、本番で反則や減点につながる行為を防止できます。

6.コントロールルーム

競技中はコントロールルームという場所で情報収集及びロボット操縦をすることになります。 この時のチームの動きによって一年間の努力の結果が変わりますので、 メンバーの能力を十分に発揮できるように気合を入れて作戦を練っておきたいところです。 コントロールルーム内でどのように振る舞うかは各チームで個性がでますが、全チームに共通して気を付けるべき点を以下にまとめます。

はっきりとした大きな声でコミュニケーションをとる

競技中は大音量のBGMが流れ、結構な頻度で実況が入ります。 というわけで、競技中は普通の声では話が伝わりにくいです。 メンバー間、副審と話すときなど、はっきりとした大きな声で話すように意識しましょう。 競技中どれだけ騒がしいかはYoutubeに競技の動画があるので確認してみるとよいです。 BGM等は参加チームにとっては障害となりますが、運営は競技を盛り上げるために頑張っています。 広い心で受け入れてあげましょう。

オペレータは異常を素早く報告する

2つの目的があり、1つはトラブルにいち早く対処するため、 そしてもう1つは相手チームのレスキュー停止の宣言に惑わされないようにするためです。 前述の理由で「あかサイド」と「あおサイド」が聞き分けにくいため、 主審によりレスキュー停止が宣言されてもどちらのチームに対する宣言か判断できない場合があります。 そんな時に自チームに異常がないことが分かっていると安心してレスキューを続行できます。

減点対策

うっかりで減点されてしまうことを避けるために、以下のことをチームで徹底するとよいです。

・ レスキュー停止中はコントローラから手を放す
・ 上を見ない、ロボットベース付近では下しか見ない
・ 一部でもフィールドに出ているロボットに触らない

第14回競技会の競技フィールドレイアウトは例年と異なり、 コントロールルームから見上げるとセンタースクリーンの一部が見えるように配置されていました。 センタースクリーンも競技フィールドの一部ですので、競技中に上を見て減点されるチームが多数ありました。 競技会のテストランでは減点防止策を考えておくのも大切です。


全チーム共通で役に立つかは分かりませんが、私がキャプテンだった時に注意していたことを紹介します。

キャプテン と オペレータ

競技中、キャプテンはオペレータに色々と指示したくなるものです。
しかし、キャプテンが数名のオペレータに的確な指示を与え続けることは不可能ですし、 オペレータも指示が多すぎると操縦に集中できなくなります。 キャプテンの指示が多すぎると全体の指揮系統が混乱、そしてロボットの操縦ミスが発生しやすい状態になってしまいます。 そのような状態にならないようにキャプテンは以下のことに気を付けます。

・オペレータが操縦に集中できる環境を整える
・チーム全体の状態を把握する

具体的には競技中の指示が少なくなるように工夫してやります。 作戦を予め作っておき、競技直前の作戦会議では方針を軽く確認するのみ、 競技中にトラブルがない場合はキャプテンの指示がゼロになる、というのが理想です。 そうすることでオペレータはロボットの操縦に集中できる上、 事前のイメージトレーニングで操縦の精度が向上します。 キャプテンも全体を見渡す余裕ができるため、トラブル発生に対応しやすくなります。 まさに、一石二鳥です。

オペレータは操作画面に集中しているため、キャプテンとオペレータは基本的に競技中顔を合わせることがありません。 指示を出すときは誰に対する指示であるかを明確にするため、オペレータの肩を叩いてから指示を出すとよいです。

© 2015 Karakuri Ninja Robot Project